伊勢海老&金目鯛のまめ知識
 
■伊勢エビについて(参考資料:稲取漁業協同組合協力)

●伊勢エビとは何か
十脚目イセエビ科の甲殻類。かつて伊勢湾の特産物であったところから日本の神事の中心地「伊勢」を踏まえてつけられた名。体長15~50cm、体色は茶色、煮ると鮮紅色となる。エビ類中、もっとも堅固な甲殻と見栄えのする長短の触角を持ち、車エビに代表される遊泳型のエビに対して歩行型の代表種が伊勢エビである。また、夜行性であるため、昼間は岩棚の下や岩の割れ目に潜んでいて夕方からエサをあさりに活動を始める。太平洋の茨城県沿岸から九州西岸まで分布している。

●伊勢エビの一生(【1】卵→【2】幼生→【3】成長)
【1】産卵
6月~8月頃に産卵期をむかえ、1匹の雌エビが10~50万個の卵を生み、約1ヶ月間雌エビのおなかにくっつき育ちます。

【2】幼生
ふ化した幼生はまるでクモのような形をしており、「フィロゾーマ」(透明な薄板状で「ガラスエビ」の名もある)と呼び、大きさは1.5mmととても小さく、しばらくの間プランクトンとして海中を漂います。半年ほどの浮遊生活の後に、親に似た形の「プエルルス」に変態します。体は色がなくて透明ですが形は伊勢エビそのものになります。

写真【3】成長
脱皮を繰り返し3~4年後くらいで色もつき一人前の「伊勢エビ」に成長します。伊勢エビの寿命については7~8年くらいと思われているが解明されていません。

●東伊豆町での伊勢エビ漁について
夜行性を利用して伊勢エビが活動する前の夕方に岩礁地帯に「エビ網」と呼ばれる底刺網を仕掛け、翌日の早朝にエビ網を回収し水揚げをする。

●伊勢エビ料理のついて
刺身、鬼殻焼き、ボイル焼き、具足煮、味噌汁など

●伊勢エビのマル秘話
TVでも放映されたことがありますが、伊勢エビが集団で移動する場合、1列になって移動するそうですが、実際その光景を町内でダイビングしていた人が目撃したことがあるそうです。

■金目鯛について(参考資料:稲取漁業協同組合協力)

●金目鯛とは何か
キンメダイ目キンメダイ科の深海魚。全長約40センチ。太平洋、インド洋の温帯域から熱帯域に分布し、日本では釧路沖以南、大陸棚や海山周辺の水深200~600mの深海に生息している。全身が朱または紅色。目が大きくて金色に輝いているのが特徴。

●金目鯛の一生(【1】産卵→【2】幼生→【3】成長)
【1】産卵
金目鯛の産卵期は夏期で、1匹の雌で約280万粒の卵を産むとされている。

【2】幼生
金目鯛の卵は1.1mmほどの大きさで、油球の色がピンク系の色をしているのが特徴で、深海で産み出された卵は、海面まで浮上し、2~3日でふ化しますふ化したばかりのキンメダイの大きさは約2~3mmほどで、目も見えず口も形成されていないので卵黄の栄養で成長します。数日後、目も見えるようになり、口も開きエサをとるようになり、腹ビレが伸びてきます。

【3】成長
全長1cmを越した頃になると、金目鯛らしい姿となり、今度は背ビレも伸びてきます。しかし、体の色は白色です。(まだ赤色がついていない)4歳頃になると、成熟して体の色も赤色に染まり産卵できるようになります。

●東伊豆町での金目漁について
<獲れる場所>
伊豆半島と伊豆大島に挟まれた深場で「矢筈出」、「高場」、「ウドマ合せ」と言われる漁場にて操業を行う。

<金目漁の仕方>
「一本釣り」という漁法を使い、一本の幹縄に釣針のついた多くの枝縄をつけ、海面から海中におろして金目鯛を釣る。

写真<漁の様子>(※時間帯はおおよそのもの。季節によって変動する)
港を出発(朝4時) → 金目漁(朝5時~正午) → 港に帰船して船から水揚げ(13時) → 大きさ別に選別したものを箱詰めにし、地元の他、東京、横浜、小田原の市場に出荷する。

<水揚げ量>
平成14年は146.7t、平成15年は170.8t、平成16年は116.6t。平成16年は黒潮の大蛇行の影響や台風の接近・上陸により不漁となるなど漁は自然の力に左右されてしまいます。

<獲れる金目の特徴>
その日の内に水揚げをするため、揚げたばかりの金目鯛はウロコが銀色に光り時間がたつにつれて鮮やかな赤色となる。味も鮮度も良いというのが特徴である。

●金目鯛料理について
刺身、煮つけ、味噌汁、しゃぶしゃぶ、から揚げ、味噌漬けなど

●金目鯛のマル秘話
稲取沖で標識放流した金目鯛が4~5年後、九州の奄美大島という遠方で再捕されたとか、標識放流した金目鯛が14年後に捕まった(最長生存記録)などと「へえっ」と驚く一例もあります。
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